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死にたく思いつめるとき「心の居場所」を届けたいーSotto冬の寄付のお願いー

2023年12月28日

こんにちは、Sottoの広報担当の福田です。

京都自死・自殺相談センターSottoは、2010年より、生きづらい思いや死にたいほど思いつめた方の悩みに耳を傾けたいと願うボランティアと、その活動をご支援くださる多くの方々の協力のもと、活動を続けてきた団体です。

Sottoは、死にたい気持ちさえ否定せず、死にたいと思い苦しむ程追い詰められたやり場のない心の拠り所として存在しています。

今回は私たちがこれからも死にたいほどに思いつめる人たちにとっての心の居場所として活動し続けることができるよう、皆さまにもご協力をお願いしたく、歳末寄附キャンペーンを実施するに至りました。

「ちょっと変わってるけど、どんな団体なの?」
「何の役に立っているんだろう?」

少しでも興味を持ってくださったら、この記事を読み進めていただけると嬉しいです。

 

▶自死の苦悩を抱える心に寄り添う3つの活動

死にたいほど思い詰める心の裏には、一人ひとりの「感情、気持ち」を押し潰すような社会のあり方があると、感じています。

最近では、セルフラブ・自分軸・自己肯定感という言葉をよく聞くようになりましたね。もちろん、自分自身を大切に、自分の意思を持ち、自分を認め生きていくのは素晴らしいことですが、流行の言葉が出るために「そうならなくてはいけない」という「正しさ」も蔓延しているような気がします。

しかし元気なときもあれば、朝起きるのが嫌なときもあるように、気持ちにも、気分にも、マイナスがあるのは人として自然なことだと思うのです。ひどく落ち込んでいる時に、励まされても背中を押されても、逆に前に進めない自分が嫌いになってしまったという経験を持つ人も多いのではないでしょうか。

何を善い悪いと定義することなく、相手の気持ちをただありのままに受け入れる。そこから生まれる温もりや安心感が、死にたいほど追い詰められた心にとっては居心地の良い居場所となっていきます。

Sottoはこの居場所づくりのために、大きく分けて3つの活動を行ってきました。

 

1.相談


自死にまつわる辛い思いを抱えた方々に向けて、以下の活動をしています。

【電話相談・メール相談】
抱えきれない辛さがあるとき、その気持ちを話ていただけるよう、10年以上実施。秘密厳守で、研修をしっかりと受けた相談員が対応をしています。

【おでん会】
みんなが集まることで身も心もあたたまる、ほっとできる居心地の良い居場所をつくりたいという想いで、「食事の場」「死にたい気持ちを話す場」「からだ・こころリラックスの場」と3つのテーマを交互に開催。自分の気持ちを話し、相手の気持ちも聞き入れることで、対人支援の場としての役割も担っています。

【ごろごろシネマ】
死にたい気持ちを抱えている方々が、ごろごろとくつろぎながら、ほっと一息ついてもらえる場所。何も考えずにぼーっと参加するのはもちろん、映画をきっかけに自分について話すこともできる、強制や束縛のない、心落ち着く場所です。

 

2.グリーフサポート


自死の苦悩を抱える人だけではなく、大切な人を自死で亡くされた方に向けた支援です。

【そっとたいむ】
身近な方の自死をきっかけに、家族同士でも分かり合えなくなったり、周りから責められたり、悲しみ・苦しみ・やるせなさ・怒り、さまざまな辛い気持ちを抱えている方との個別面談。自分でもわけが分からなくなっていたり、人に話しづらい気持ちも、相談員が丁寧に受け取ります。

 

3.講演・研修


孤独や自死の苦悩を抱える方の力になりたい…。そうは思っていても、何をすれば良いか分からない人や団体は少なくありません。寄り添い方を共有していくことで、支援の輪を広げていけるよう、取り組んでいます。

【聴き方講座】
深いコミュニケーションや、お互い安心感のある関係性を築くために、聴く姿勢を身につけることは欠かせません。ロールプレイを行いながら進めていくので、より実用的な「聴く力」を身に着けることができます。誰かの悩みに寄り添いたい方はもちろん、組織の繋がりを強化したい方や、対人関係にうまくいかず悩んでいる方にもご参加いただいています。

【オーダーメイド研修】
ゴールを明確にしたうえで、Sottoのカリキュラムを応用させ、より効果的に支援ができるよう、オーダーメイドでの研修を提供しています。ただ習うだけではなく、体験型の研修を行うことで、自らが気づきを得ながら学んでいける場です。

 

▶Sottoの実績(2022年度)

・電話相談:948件
・メール相談:2434件
・おでん会:122名
・ごろごろシネマ:35名
・そっとたいむ:28名

・聴き方のお稽古:73名
・外部出講:5回
・団体研修:4団体

 

昨年は、延べ約3,500名の方のご相談にのることができました。研修を中心とした啓発活動は京都府内に留まらず、オンラインや他府県でも行い、NPO団体や医療学会を中心にオーダーメイドのプログラムも展開することで、支援の輪を広げていくことに繋がりました。この成果を達成できたのは、皆さまの日々のご支援、そしてボランティアの方々の尽力あってこそ。本当にいつもありがとうございます。

さて、実際にSottoを利用された方々のお声も、ご紹介します。
(※掲載している感想は、すべて許可をいただいています。)

 

▶歳末寄附を行う理由

私たちSottoは、自殺を止めることを第一の目的とした活動や、自立のための経済的支援、社会復帰への学習・就労支援を行っているわけではありません。だからこそ、何件の自殺を減らしたとか、何人を就労に繋げたなどの、分かりやすい結果を提示することはできません。

ですが、気持ちを否定されることなく耳を傾ける人の存在は、「生きていていいんだ」「私にも居場所があるんだ」という安心感に繋がります。「もう死ぬから」と言い切った相談者が、「やっぱり死ななかったよ」と連絡をいただいたことがありました。私たちSottoは、何かを決断したとき・また思い悩んだとき、いつでも戻ってきて本音を話すことができる、必要不可欠な場所なんだと実感させられます。

同時に、私たちSottoは、さらなる活動拡充を求められていると感じています。コロナ渦の影響、競争社会でのストレス、メディア報道、税負担の増加などの社会的背景もあり、心を病む人や孤立に陥っている人は、決して減ってはいません。

その不足を補うためには、金銭的な基盤を固めていくことが必要不可欠です。

疲れ切って前を向くこともできないとき、安心して身を寄せることのできる宿り木のような場所でありたい。その想いを今後とも形にし続けるために、是非お力添えをいただければと存じます。

 

▶さらに多くの心に寄り添うために

死にたいほど追い詰められている心に居場所を届けていきたい。その想いを大切に歩んでいくために、Sottoは以下の目標を掲げています。

 

1.相談体制の拡充


2022年は、2021年と比較して400件も多くのご相談にお答えすることができたのですが、頼ってくださった方すべてのお力になれているわけではありません。特に、居場所づくりの1つ「おでん会」は募集開始後即満席が続き、キャンセル待ちが発生している状態です。

集まるだけならどこでもいいのかもしれません。ですが、死にたく思いつめる人を、1人の大切な人として温かくお迎えすることを私たちは大切にしています。意義のある相談体制の充実のためには、お菓子代やドリンク代、光熱費などの費用面の課題を乗り越えることが欠かせません。

 

2.ボランティアの有償化


Sottoは、ボランティアの方々がその想いを基に活動し続けることができる環境を整えていきたいと思っています。利用者の最もそばにいる相談員が活動を続けやすい環境の整備は、相談体制の充実や利用者の信頼感・安心感の維持に繋がる大切なことです。

今現在、メール相談は有償スタッフが行う準備は整っているのですが、電話相談は未だに無償ボランティアによって行われており、2026年までにこの状況を変えるべく、毎月1,000円をご支援くださる新たなマンスリーサポーター、200名のご協力を得ることを目標としています。

 

3.支援の輪の拡大


2010年の設立以来、絶えず自死・自殺にまつわるお悩みを抱えている方に寄り添ってきました。しかし私たちSottoだけでは手を伸ばしきれず、抱えていた孤独がより大きくなってしまったり、そばで見守る家族や友人が支えきれず疲弊してしまうケースも少なくありません。各地域の団体や身近な方が適切にサポートできるよう、今まで以上のロールプレイ実践研修や話の聴き方講座を実施していく必要を強く感じています。

「傾聴や寄り添いを学ぶならSottoが良い!」と繰り返し頼ってくださる団体があるほど、私たちは効果的かつ実用的な研修を提供しています。広報に力を入れ認知力を高め、またいままでよりも多くの地域で実施していくための資金は必要不可欠。現場の声を拾いながら、アップデートを行い、より良い相談体制を広い範囲で拡充させていくことを目指します。

 

▶資金の使い道

   

 

私たちSottoは、ただ心の拠り所を作るだけでなく、この体制を持続させ、さらに向上させていく方針です。その基板をしっかりと作り、自死にまつわる悩みを持つ方を1人でも受け入れるには、皆さまからのご協力が必要不可欠です。(Sottoへのご支援は、コチラから。)

 

▶Sottoを応援してくださる皆さまへ

この度は、歳末寄付キャンペーンのお知らせをご一読くださり、ありがとうございました。

私たちは、悩み事に対して具体的な解決策を提示しているわけではありません。ですが、死にたいほど追い込まれたとき、誰にもわかってもらえない孤独による辛さを抱えているとき、その心にそっと寄り添える存在であり続けたいと思っています。それによって、少しでも孤独が和らいだり、1人じゃないと実感することもあるでしょう。

人が人として生きるために、本当の思いやりと温かさを分かち合える居場所をこれからも作っていく所存です。

もし少しでも「Sottoの活動に共感できた」「悩んでいる人の力になりたい」など、感じるものがあれば、是非、以下のリンクボタンよりご支援をいただけますと幸いです。

 

※各種クレジットカード(VISA・MASTER・JCB・American Express・Diners・Discover)とAmazonPayに対応しています。

 

▶よくある質問

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Q.Sottoを支援することで、どのようなメリットがありますか?
A.認定NPO法人ですので、税制上の優遇措置を受けられます。また、毎月お送りする会報から、自死・自殺への悩みや生きづらさに寄り添うために最前線でご活躍されている方々のリアルな声から学びを得ることも可能です。
実際に支援してくださっている方のインタビュー記事は、こちらからご覧いただけます。

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Q.領収書はもらえますか?
A.はい。1月~12月の合計寄附額の領収書を翌年の1月末~2月初旬までに発送いたします。

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Q.マンスリーサポーターの退会はできますか?
A.可能です。シンカブルサイトよりお手続きください。

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Q.毎月定額を支払うことに不安があります。
A.単発寄附もございます。協力したいというお気持ちが嬉しく、無理のない範囲で応援していただけますと幸いです。単発寄附はコチラから。

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Sottoでは 今後も自死・自殺にまつわる苦悩を抱えた方に「心の居場所」を届けるため、相談員一同尽力してまいります。今後とも応援のほどよろしくお願いいたします。

認定非営利活動法人 京都自死・自殺相談センターSotto