京都市ならではの自殺対策の話
2010年5月11日
今日の京都市内はすこし薄曇りの天気。
でもだんだんと暖かくなって過ごしやすくなってきましたね。
センターの前の歩道にはかわいらしいポピーが咲いていました。
思わず激写。
京都の街は、いうまでもなく古いお寺や教会が多く残っている歴史の街です。一説にはお寺だけで1600ケ寺もあるとか。すこし歩くと、お坊さんの姿に出会うことも日常風景の一つですね。
実は、京都市の自殺対策では、そんな宗教と歴史の街ならではの特徴ある施策が模索されていることをご存じでしょうか。
京都市こころの健康増進センターが昨年に作成した自殺対策の指針には、
次のような一文が入っています。
寺社や教会,いのちの大切さに取り組んでいる団体等との活動の連携
現在,京都では,各寺社や教会において,自殺予防・自死遺族支援の取組を行っているところがあります。こうした寺社や教会,いのちの大切さに取り組んでいる関係団体が,連携して取組を進め,個々の取組から京都全体の取組に発展させていくことが期待されます。
(「きょう いのち ほっとプラン-京都市自殺総合対策推進計画(仮称)」)
http://www.city.kyoto.jp/hokenfukushi/kokenzou/news/pdf/20100219-03.pdf
これまで行政が宗教界と一緒になって取り組みをおこなうことは、
国のはたらきと宗教とを厳格に分離する日本では、
なかなか実現してきませんでした。
しかし、自殺という一人ひとりの「いのち」に深く関わる問題は、
行政や民間の活動だけでは足りていないことも事実。
「死」や「いのち」の問題をみつめてきたお坊さん達と「つながって」いくことはとても大切なことだと思います。
その意味で、京都市のプランは先進的な取り組みといえるかもしれません。
相談センターも、京都ならではの活動として、
多くのお寺や教会の方々と協力していければと考えています。