「苦しい…」 「生きづらい…」 「悩みがつきない…」
「心が痛い…」 「しんどい…」 「悲しくてどうしようもない…」
「そんなあの人の支えになりたいんだけど…」
と考えているあなたへ。
- 悩みを抱える人の力になるには?
- 「死にたい」と打ち明けられたら?
- 大切な人を自死で亡くした人の力になるには?
自死を考えるほどの苦悩を抱える人を支えていくためにどうすればいいのか…。
それぞれの問題に決まった答えはありません。
ここでは私たちの考え方をお伝えします。
悩みを抱える人の力になるには?
「死」を思うほどの悩みを抱える人の力になるには、その人の気持ちに寄り添うように努めることが大切です。
自死のサインに気づく
「死にたい」「自殺したい」といった直接的な表現でなくとも、ふだんの言動に何かしらのサインやシグナルが出ているかもしれません。
行動
- 身辺の整理を始める
- 急にギャンブルにのめりこむ
- 不注意が目立つ
- 食欲の極端な減少や増加
- 薬をためこむ
- 無断欠勤が増える
- 眠れていない
言葉
- 「もういいです」
- 「いままでありがとう」
- 「違う世界に行きたい」
- 「楽になりたい」
- 「消えてしまいたい」
- 「世話になったね」
- 「逃げたい」
- 「思い知らせたい」
いつもと違う変化を見逃さないようにしましょう。
サインに気づいたら
あなたのそのまなざしを注ぎ続けてください。
- 調子を尋ねてみる
- 気にかけているということを示す
- 継続的に見守る
- 具体的な相談窓口へのアクセスを促す
死にたいと打ち明けられたら…
まずは落ち着いて、話題をそらすことなく、じっくりと話を聴いてください。相手の思いを大切にするようにしましょう。
話をそらさない
「死にたい」と打ち明けられたら戸惑って話をそらしたくなるかもしれません。しかしあなたならわかってくれると思って、伝えています。話をそらさずにまずはその方の気持ちを聞きましょう。
死にたい思いを否定しない
つい「死んではだめ」と言ってしまたくなるかもれません。 しかし死にたい気持ちはその人の今の本当の気持ちです。その気持ちをまずは大事に受け取りましょう。
アドバイスより、一緒に考える
「そんなことを考えるよりも、こうしたほうがいいんじゃない」と言われると、自分のことを否定された気持ちになります。一緒に考えることで「ひとりじゃない」ことが伝わるかもしれません。
安易に励ましたりせず、一緒に考える
「もうちょっとがんばったら?」とつい言ってしまたくなるかもれません。「励まし」は第三者的に感じられることもあります。思いをしっかりと受け止めたうえで、次の行動を一緒に考えましょう。
一緒に足を運ぶ
行政の相談窓口や弁護士事務所などへは、なかなか行きにくいものです。そんな時、一緒に行くことも大事な支援です。
当事者の声
- 死にたい気持ちのときに「死んじゃだめ」「生きたくても死ななければならない人がいるんだから」と言われても、つらくなるだけだった。それよりもわたしの気持ちを理解して欲しかった。
- 誰にでも相談できずにいたけど、思い切って打ち明けたとき、共感してくれたことで、心が落ち着いて、ちょっと視界が開けた気がする。
- 「大切な命なんだから…」と言われても、そんなことわかってる。それよりも僕の気持ちをわかって欲しかった。
大切な人を自死で亡くした人の力になるには?
「何かしてあげたい、でも何もできない」そんなふうに思ってませんか?
実は、見守るだけだったり、聴くだけだったり、ささやかなことでも支えになることがあります。
相手の求めていることに応えましょう
- 相手の気持ちやペースを尊重してください。
大切なことは、その人の気持ちです。
時には 語られるのを待つという姿勢も大事です。 - 「何か力になれることはい?」など、たずねてみてはいかがでしょうか。
- 「いまは話したくない」「そっとしておいてほしい」という人もいます。
そんな時は「いつでも聞きますからね」と声をかけるのもいいかもしれません。
ただ聴くだけでも…
- 一生懸命に聴いてくれる人がいるだけで、気持ちが整理されたり、新な気づきがあったりします。
- アドバイスよりも、まずはその人の気持ちを受け止めしっかりと聴きましょう。
相手の思いを理解することに努めましょう
- 自死は原因がわからないことがほとんどです。「あれが原因だったんだね」などと原因を決めつけるような発言をしないでください。
- 「はやく立ち直って」という声掛けは、今苦しんでいる人にとって突き放されたように感じるかもしれません。
- 「あなたの気持ちはよくわかる」など安易な共感もかえって溝を作ってしまうこともあります。
- 「早く立ち直らないと…」という励ましの言葉は必要ありません。
「それができるのなら…」と感じることでしょう。 - 「時が経てば立ち直るよ」と言いたくなるかもしれません。しかし、「時が解決した」というのは本人にしかいえない言葉です。「今苦しんでいること」を支えましょう。
専門家へつなぐこともひとつの支えです
- 行政上の手続きにつきそうなども大きな支えとなるでしょう。
- 大切な人を自死で亡くした方が集まって、気持ちを分かち合うグループもあります。そうしたところをさりげなく紹介することもひとつの支援です。
ご遺族の声
- 「あのひとはもっとつらいんだよ」など、他の人と比較するような話は聞きたくありません。
- 「あなたががんばらないと…」と言われて、「これ以上がんばらないといけないのか…」と切なくなった。
- 「あなたは悪くないよ」と言われたけど「あなたに何がわかるの?」と感じた。
- 私のために一生懸命になってくれる人がいることがうれしい。