「東京日和」を読む
2010年7月5日
以前から気になりながらも、なかなか手に取れなかった本。『東京日和』(ポプラ文庫)、とうとう読みました。
荒木経惟さんの妻、陽子夫人のエッセイと、
妻が亡くなった後、新盆を迎えるまで夫がつづった日記、
亡き妻を想いながら撮った写真からなる一冊です。
妻のかざり気のない文章でつづられた夫婦の日常や東京の風景は、
平凡なありふれたもの。
でも、後になって、どれほど特別なものだったかを実感することになります。
夫の日記や写真から伝わってくる圧倒的な喪失感。
喪失から目をそらさず、そこに居続けるのは、とてもつらく苦しいことですが、その姿は、悲しくも強く、<生きている>ということを感じさせてくれました。
偶然にも、当センターのボランティア養成講座が始まる日でもあります。
当センターでは、大切な人を亡くした人のグリーフサポートも行います。
大切な人を亡くした人の悲しみの感じ方は人それぞれです。
ありのままの悲しみに寄り添うことを大切にしたい。
そんな思いをこれから関わってくださるボランティアの方々とも共有していきたいと考えています。