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秋の夜長に

2010年9月30日

今日は涼しい、というより肌寒い一日でした。最高気温が17度。街にでるとみなさん毛糸やファーを身に着けていて、もう冬装束に近づいてきています。

秋といえば、「食欲の秋」ですが、とどまるところを知らない食欲をさらに暴走させないように、できれば「スポーツの秋」「読書の秋」といきたいものです。

夏の間に読み過ごしていた本を、夜長にパラパラみていたら、とても印象的な文章に出会いました。

お母さんは、あなたは何ですか、ともし誰かに訊かれたら、黙りこむのにも飽きたのでおまえがもしも生まれていたら、お母さん、そしてお前がまだいないなら、奥歯です、と答えようと思っています。へんでしょう。おかしいでしょう。でもそれが間違っているだなんて、誰にもいえないことなのです。人が大事にしている考えやものについては、ただしいもおかしいもないのです。

わたくし率 イン 歯ー、または世界』(川上未映子著 講談社文庫)の中の一文です。

「人が大事にしている考えやものについては、ただしいもおかしいもないのです。」ということ。

「奥歯です」と答えられたらびっくりするけど、<奥歯だと思っている>ということを深く考えたいと思います。